「全員進学・全員合格、全員自己実現」をこれからも

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「全員進学・全員合格、全員自己実現」をこれから

2020.02.23.00:00

フリースクール・ぱいでぃあは小学生や中学生など、義務教育段階の子どもたちの学力支援、精神的身体的な育ちの支援を行っています。3学期の現在、次年度に向けた不登校や不登校気味の小学生や中学生の相談を行っています。相談だけでも結構ですし、教育相談や入学相談を兼ねても結構です。該当される方は、遠慮せず、臆せずにご相談ください。
 
ここで、一つだけ確認しておきたいことがあります。
 
私ども「フリースクール・ぱいでぃあ」は2000年に設立してから20年の歴史になります。しかし、不登校支援の活動としては、その前に日本で初めての子どものいる現場から発信する不登校専門誌『ニコラ』(1995年6月創刊)の活動がありました。(2004年10月NPO法人化)
 
従って、教育ネットワーク・ニコラ&フリースクール・ぱいでぃあの活動は、実際に不登校の子どもを抱える親御さんを含めた関わり方・学び・考察の問題と同時に、それをより発展させる形でフリースクール・ぱいでぃあという学校外の学び場・活動の場も設けるという、言わば車の両輪を通して不登校問題や不登校の子どもたちと関わってきたことになります。
 
その過程で、「不登校の理論だけでは見えない」ものと同時に「現場だけの見聞だけでは理解できない」ものも扱ってきました。その歩みの中で、まだ始まったばかりの大学での研究に先行した私達の現場での実践の資料を貸し出たり、将来教師を目指す大学院生や大学生、カウンセラーの志望者、新しく自ら居場所設立を目指す人、もと教員の人達などに臨床の現場を提供し、様々な人々の養成の手助けも引き受けてきました。
例えばその中には、学業支援という名目ではあったけれど、実際は自分たちの病んだ心の癒やしとその再生の場を求めてやってきた、県内のトップの県立高校の何名かの高校生たちもいました。
 
そうして、不登校の子どもたち、様々な支援者や実践を通して学ぶ人たちが互いに関わる中で、学校外の「フリースクール・ぱいでぃあ」という活動の場において、子どもたち一人ひとりが自身の不登校状態と向き合い、互いの異なる存在を認め合い、それぞれの課題に挑みながら、子どもたち自らが己の力で徐々に乗り越えていくのを側面から見守ってきました。
そして、全ての子どもたちが「不登校もまた良き糧」、「不登校も過ぎてみればいい体験」と考え直し、進学・受験・社会参加(就職等)へと羽ばたいて行きました。
 
フリースクール・ぱいでぃあは義務教育段階専門(小中学)の不登校の子どもたち対象の学び場ですが、具体的には、小学生の場合には、中学へ上がる時期に復帰する子、引き続きぱいでぃあに通う子、私立の進学校等に進む子もいました。
また中学生の場合には、学校に学校に通っていた子どもたちと同じ全日制高校、県立のパレットスクール、定時制高校、色々な私立高校、民間立のサポート校だけでなく、海外の高校への転進…等も、本人の希望を第一に尊重して側面支援を行ってきました。中には国立の高校を目指した子どももいます。
また、今の時代は、大学に進学した子どもたちも多いですが、東の早稲田や西の同志社もいれば、学習院やMARCH系列の大学、その他にも進学しています。
また、学業が苦手でグレーゾーン向けの教材等で支援し、社会へのスムーズな参加を第一に考えた子もいますし、飛び抜けたIQを持つ神童とも言うべき資質の子どもを支援したこともあります。
 
その全体を通して言えることは、フリースクール・ぱいでぃあは、学校を離れた子どもたちを庇護し、その気持ちを尊重するということにとどまらず、その学業や育ちの支援を通じて無理のない社会参加を実現し、社会人として活躍できることを、設立の当初から掲げて来たということです。
もし、学校教育の目標が学業を通しての「社会人の育成」であるとするなら、フリースクール・ぱいでぃあもまた「不登校の子ども達」という違いはあるものの、「社会人育成」がその目標であったと言えると思います。
 
しかし、日本の学校教育が「理不尽なことにもめげない人間づくり」が目標であるとするならば、ぱいでぃあは「理不尽なことは理不尽と言い、自分の持ち味を活かす形で自己実現すること」を目標とすると言っていいかも知れません。
これは不登校の子どもたちを支援することを第一目標とする学校外の学び場・フリースクールの当然の課題です。そして、それを言い表した言葉が「コモンセンス」であり、「全員進学・全員合格・全員自己実現」という標語です。
 
幸いなことに、私達ののフリースクール活動を通して、卒業し羽ばたいていった子どもは全てその目標を達成してくれました。
「誰も見捨てない。落伍者を出さない」はフリースクール・ぱいでぃあ設立からの理念・目標でしたが、それしっかりと実現してくれたのが当の不登校の子どもたちでした。
 
 
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