月別アーカイブ: 2017年11月

北沢楽天の見た「日本の子育て風景」から

▼北沢楽天を紹介するのは、実はこれが初めてではない。「読者参加の月刊教育フォーラム・ネットワーク誌「Nicolas」1996年9月号・第15号「ニコラ:教育フォーラム「子どもの人権と大人の役割」の創刊一週年の特集号の2ページ目に「ニコラのページ『風刺漫画』」として掲載されている。

▼今回、子どもたちと「漫画会館」を訪ねるに当たって、そのことを思い出し、バックナンバーを調べて見つけた。 その中で北沢楽天氏の「細君は流々」と題した漫画が紹介されている。内容はその記事のPDFファイルを見てほしい。

▼楽天氏は、明治・大正・昭和を通して、世の子育ての現場を見てきた人だが、そこには今と変わらない子育て上の問題が漫画に活写されている。

「ニコラ」1996年9月号・第15号 北沢楽天「細君は流々」  

 

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赤塚不二夫展:北沢楽天ゆかりの漫画会館

▼11月8日、大宮の漫画会館に子どもたちと出かけた。目当ては「赤塚不二夫展」。漫画会館に入ると、まず迎えてくれたのは「しぇ〜!」のポーズのイヤミくん。その銅像であった。

▼赤塚不二夫その人は既に他界している。だから、「天才バカボン」「おそ松くん」や「ひみつのアッコちゃん」の作者、若かりし頃のタモリの先生と言ったって、今の小中学生には遠い話。
 でも、漫画の原画でも観ればそのギャグ漫画の面白さも分かるだろう。と思っていたところ、どういう偶然か、今テレビでリバイバルされていて、子どもたちにも馴染みであるとのこと。

▼そこで、話をこの漫画会館のゆかりの挿絵画家・北沢楽天に持っていく。知る人ぞ知る、「漫画」という言葉はこの北沢楽天氏の造語である。会館の中には在りし日の楽天先生の写真と共に彼の仕事部屋が現物で再現されていた。ここから彼の筆先鋭い幾多の政治批評や世相を論じる一コマ漫画が誕生したのだ。

▼彼の造語「漫画」は何が凄いのか?それまで、こういう類の絵は一般に「戯画」と呼ばれていた。一方に由緒ある正当な日本画があり、これらは一等劣る駄文ならぬ駄画=戯画に他ならなかった。平安時代の鳥獣戯画以来の優れた伝統がありながら、やはり日陰者に過ぎなかった。

▼ところが、北沢楽天氏が己の筆を持って、敢えてその戯画の伝統に分け入り、それを新聞のニュースに合わせて一服の挿絵にすることで、見事独立したジャンルを確立したと言っていいのではないか。 戯画から漫画への移行には、楽天氏の開き直りと自負が感じられる。

▼ここに漫画はそれまでにはない独自の価値と役割を確立し、今日の隆盛への端緒を開いたのである。きっと楽天の漫画を読みたくて新聞を買った読者もいたことだろう。 彼が描き遺した様々な漫画を一堂に会して眺められるのは幸せなことだった。

▼聞くところでは若者の間で「らき☆すた」の聖地巡礼があるそうな。もし、将来、漫画家として漫画表現を志す意志があるならば、この場所に一度は足を運んでもいいのではないか (盆栽会館については、後日、別の項で)

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ぱいでぃあ社会体験活動:ギャグの殿堂「赤塚不二夫展」を観に行くのだ!

ぱいでぃあ社会体験学習活動~さいたま市立漫画会館へGO!~

ギャグ漫画の殿堂 「赤塚不二夫展」を観に行くのだ!

2017 年 11 月 8 日(水)

▼「赤塚不二夫」と言われても、デビューが昭和 30 年代の漫画家だから、知らない人が多いかもし れない。でも、「おそ松くん」「もーれつア太郎」「天才バカボン」「レッツラゴン」などの漫画の作者 ですよ、タモリの師匠さんとも言える人ですよ、「ギャグ漫画の王様」ですよと言えば、たぶん分かっ てくれる人は結構多いのでないだろうか。 何よりも、この人の作品を一回でも目にしたことのある人なら、木石のコンコンチキ(意味分かるか な?)でもない限り、おそらく分かるずである。今に通じる戦後ギャグ芸の原点はこの人に始ま ると言っていいのだ(天才バカボンのパパの口調)。

▼それに、今回、大宮の盆栽町の中にある漫画会館での開催とある。 この「漫画会館」の建つところ、明治・大正・昭和の三代に渡って新聞の挿絵画家として活躍し た北沢楽天のゆかりの地である。日本で初めて「漫画」という言葉を使って政治や世相を風刺した人である。(北沢楽天について、別の項で改めて紹介したい)

▼北沢楽天一コマの時事風刺漫画、赤塚不二夫ストリー中心の独特のギャグ漫画という違い あるが、この二人に共通して流れているのは極めて健全な風刺の精神である。

▼今回、赤塚不二夫展を観るときも、独特のキャラクターやそこに展開される世界観を通して、理 屈抜きで楽しむと同時に、その破天荒なギャグの底流にある地味豊かな人のやさしさや温かさに 触れてほしい。

▼今回、数々のヒット作や代表作が紹介されるだけでなく、その原画も展示されるという。ギャグや 風刺を楽しみながら、そこに流れる人情にも触れてほしいと思う

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