▼不登校支援の初期の頃にははっきり見えなかったものが、15年、20年と関わってくるとそこから自ずと見えてくるものがある。そして、不登校の子どもの動態もその支援の仕方もそれにつれて少しずつ変わってきた。
それでは、学校教育の中で不登校への理解が進み、不登校支援の方法にも進展があったのかと言えば、必ずしもそうとは言えない。だんだんと複雑化してきたと言った方がいいかもしれない。
▼逆に、事態が深刻化して不登校からの立ち直りが容易ではなくなったということも起きてきている。特に近年、経済格差が教育格差に連動し(この傾向は今に始まったことではない。フリースクール運営の当初から明らかであったが)、もやは努力すれば報われるという「三丁目の夕日」的な、ジャパニーズ・ドリームを象徴した牧歌的な風景はどこにもなくなってしまった。