月別アーカイブ: 2015年10月

いじめと不登校とは連動している

文部科学省が10月27日、2014年度における小中高(国公私立)のいじめについて、その調査結果を発表したのをご存知だろうか? また、不登校の殆どが学校でのいじめと連動しているのはご存知だろうか?こちらは文部科学省のデータにはないので、「いや、知らない」という方々が多いかもしれない。あるいは、「うちは不登校だから、いじめにはあまり関心を持っていません」という方々もいらっしゃるかもしれませんね。

▼なるほど、確かに分類上は違っていますから、そう理解されるのも無理はないかもしれませんね。事実、過去数年間、文部科学省での統計では「いじめの件数は増えているが、不登校の件数は減っている」ということが続いていました。しかし、「いじめと不登校は連動している」というのが現場で直に不登校の子ども達と接したり親御さんの相談を受ける中での実感でした。
 文部科学省のデータに姑息な細工はないとしても、各学校や教育委員会を経てデータが集計される統計としてまとめられる過程で、何らかのバイアスが働きデータの統計に反映したのではないかと見られました。

▼その統計に変更が加えられたなと感じたのは、大阪で部活で顧問教師による体罰で自殺した生徒に対する隠蔽工作が発覚した後のことでした。文部科学省自身が統計データのおかしさに気付き、全国的にいじめ・体罰に関する再調査を実施したようでした。
 そこから、いじめの増加に連動する形で、それまで年々減りつつあるとされた不登校の数値が一転、上昇に転じたのです。しかし、現場での感覚ではそれでも不登校と認定されたのは不登校全体の氷山の一角という認識でした。不登校とするか一時の登校しぶりとするか…それは全く学校でのさじ加減にあるわけですから。

▼そういう認識を持って、この新聞記事を読んで欲しいと思います。「いじめの認知件数は、小中高で約18万8千件に達し、これは6月の時点よりも3万件多く、昨年度よりも約2千件上回ることとなった」ということも、この次記事あるように「発生件数」(=本当に起きている数)ではなく、「認知件数」(=そのように認識された数)」なのだということを押さえながら。

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漢字の手書き、多様な書き方認める方向に

▼みなさんの中で手書きの漢字を(この頃はパソコンの普及などで手書き派は少なくなったかもしれませんが…)正確にできる方はどのくらいの割合でしょうか。小学校の先生でもされている方を除き、学校で習ったように正確に手書きできる方はとても少ないのではないでしょうか。でも、「それで困った…」という声をほとんど聞きません。つまり、知らなくても日常生活を送る上では支障はないということ。

▼文化庁の文化審議会漢字小委員会は10月16日、漢字の手書きについて、「とめる」「はらう」などの細部にこだわる従来の方針を改める中間報告をまとめたようです。「随分遅かったなあ」というのが正直な感想。これで子ども達も漢字を覚えるときの余計な苦労から開放されます。先生にとっても良かったはずです。

▼社会人が使う目安とされる常用漢字表では細かや字形の相違は許容されている。字体があっていれば多様な書き方が認められている。ようやく不要な学校教育の縛りを離れて社会的な運用の方が優先されるようになったのは喜ばしいことだ。 いばしば「学校知」ということが問題になる。考え方としては正論なのかもしれないが、「社会知」からはかけ離れていて役に立たないことの代名詞のような言い方をされてきた。長い目で見れば、そんな学校教育がいいはずがない。「学校の常識」=「社会の非常識」のような愚はそろそろ終わりにしたいものです。

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「保護者や教員のための不登校セミナー」へのお誘い

「保護者や教員のための不登校セミナーパート2」(官民連携による)(主催埼玉県教育委員会)のお知らせ

 

7月14日開催のパート1に引き続き、パート2が10月17日(土)さいたま市民会館うらわにおいて開催されます。フリースクールや親の会等の民間団体が主導のパート1の後、何度かパート2の開催に向けて会議を重ねてきました。

 

全国の不登校の数がここ数年減少傾向にありましたが、再び12万人の大台に乗り増加傾向に転じました。いじめと不登校は連動しているというのが現場の認識ですが、今まではいじめは増加しているが不登校は減少しているというのが学校側の認識でした。しかし、不登校の数値そのものが正確ではなく、地域によっても認定の仕方はまちまちという印象でした。

 

悪く言えば「不登校の増加」ですが、よく言えば「不登校の統計数値の精度が高まった」とも言えそうです。とにかく、学校教育の中で負の部分として臭いものに蓋との扱い出であったものが、適切な対応を行う前提として統計数値の精度が上がったのはいいことです。

 

しかし、見方を変えれば単に体裁を繕っているだけでは不登校対策に前進はないと腰をすえてかからねばならない段階にまで不登校に代表される教育の危機が高まってきたとも言えそうです。

 

長年の関わりの中で、今までは未知の領域であった不登校問題に様々な角度から光が投げかけられると同時に、現場の関わりの中からも様々なものが見えてくるようにもなりました。

それを学校教育の外部に存する民間教育の側から言うならば、当初は時代のニーズに応じ未来を見据えた子ども達の希望に応えるものであった学校教育が、時代の急速な進展の伴い社会の多様なニーズに応えられなくなり、未来を志向する子ども達の桎梏(手かせ足かえ)にさえなりつつある事態が見えるようになってきました。

 

もちろん、不登校の児童生徒の中には、学校教育に携わる方々が以前から考えていた不登校の範疇に当てはまる子ども達も多いのですが—-一般に精神的肉体的に障害を抱えていて、他の子ども達と対等に伍していくことが難しいような子ども達など—-必ずしもそうとは言えない子ども達も多数排するようになってきました。学校教育では従前に自分を表出し切れない子ども達の出現です。

 

言うまでもなく、子どもというものは親の庇護を受けて育ち、やがて親を超えていく存在です。それでこそ世代の交代と伝達が円滑に行われます。しかし、ともすると私達大人はその単純な原理を忘れがちになります。心したいものです。

基本的に子どもの行動は、それが叫びであれ、笑いであれ、怒りであれ、涙でれ、内なる心の反映。それを素直に受け止めることから始めたいものです。

 

もし何らかの理由で現在不登校になり、今後の方途について悩まれているのであれば、私達官と民とがともに手を携えて協議を重ね企画した不登校セミナーです。是非のご来場を心からお待ちしております。

私達の企画したセミナー皆様のお役に立てましたら幸甚に思います。

 

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