月別アーカイブ: 2015年7月

◆ 不登校は、なぜ生まれるの? なぜなくならないの?ー(1) ◆

 不登校は、なぜ生まれるの? なぜなくならないの?ー(1) 

▼学校で不登校にならないように、今では就学時検診と言うのもが広く行われています。
 だから、少なくとも身体的なことはクリアーできていたはず。それなのに我が子は不登校になってしまった!……そんな思いはありませんか。

 「理不尽です。納得がいきません!」

 そういう親御さん、結構多いのでは?
 

 そこで、不登校が生まれる<学校という教育システム>について、ちょっと考えてみましょう。

▼不登校は、子どもに起因するものもありますが、<日本の学校制度>に起因するものも多いのです。

 就学時検診では問題がなくても、その後に障害児的な症状を発症する場合もあります。

 身体に不具合が起きた…、自閉傾向など精神状態が悪化した…、学業などで適応が困難になってきた……などなど。

 でも、その場合にも、必ずしも本人のせいには出来ないいろいろなことがあります。

 その中でも、身体的なもの、知的障害的なものに関しては、教育行政機関の側でも多少対応が進んできたように思います。

 でも、そこに親御さんが不満を持たれるとすれば、それは

 我が子が人間らしく扱われていない!

 ということになることがあるかもしれません、

▼学校という教育機関に限らず、たとえば養護施設、特別学級、病院、少年院、刑務所、精神病院、孤児施設…などの公的な機関やそれに類する機関…。

 そこでは、その中に収容される人たちはみな、何らかの意味で「完全な指導者」に対する「不完全者・未熟者」という構図になっており、そこでは<普通>という名の健全な状態に戻ることが課題とされます。

 単純化すれば「完全なる人が不完全なる者を矯正する」ための収容所という図式です。

▼それに対して、本来フリースクールという民間の教育機関は、まだ日本に近代学校制度が存在する明治期よりも前の、江戸期に隆盛を極めた個人の育成を目的とする寺子屋にそのルーツを遡るものです。

 そして現在は、文科省の許認可に関係なく、不登校の子ども達の重要な支援の場となっています。

 ところが、不登校支援を本来の目的とする日本の民間の教育機関と称される、たとえばフリースクールやサポート校など今、ほとんど当初のそのような目的から離れてしまっています。

 その大部分は今、障害や疾患が強く、そういうサポートが欠かせない子どもたちを対象にした厚生福利施設として活動しています。
 不登校支援という当初の目的はサブタイトル的な運営となっています。
 なぜそうなってしまったのでしょうか?

 日本の教育制度を見れば一目瞭然です。

▼文科省認可の公立学校や私立学校には税金や助成金が投入されます。民間の教育機関には1円も投入されません。
 しかし、フリースクールの側は学校を離れた子ども達を独自の視点から支援するために、文科省に一元管理されないそういう条件を敢えて良しとして来たのです。

 そのため、不登校支援の日本のフリースクールやサポート校のほとんどは、その生き残り策として、厚生労働省管轄下の障害児支援事業を行うことを主とするようになりました。
 不登校支援が主たる目的ではなく、不登校ビジネスが主となったわけです。

▼そうなると、奇妙な逆転が起こります。「不登校は早期に立ち直らせるものではなく、いつまでも続いてほしい状態」になるわけです。今、不登校支援の仕事はそういう難しい場面にあります。
 利用者の慎重な見極めが求められるところです。

 「不登校はなぜ起きる?」…この問い掛けは、「不登校はなぜ義務教育で起きるの?不登校になるのは何が問題なの?」と言い換えてもいいかも知れません。
 これは「義務教育なのに学校を離れると何の教育的恩恵も受けられなくなる」とこと連動しています。

(続く)


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13歳の自閉症の少年がTEDでスピーチ IQはアインシュタイン超え

学ぶことをやめろ— 13歳の自閉症の天才少年がTEDで語る
この刺激的で挑発的な言葉を学校を離れた全ての不登校の子ども達に贈りたい

▼まず、この<アインシュタイン以上のIQを持つ、自閉症の少年のスピーチ「大切なのは学びじゃない」>という記事に目を通していただきたい。そして、その後のビデオを見てほしい。13歳の自閉症(autism)の少年ジャコブ・ベネット(Jacob Banett)が有名なTed Conferenceで語っている。「なぜ彼がそんな大舞台に?」と思うかも知れない。そこは誰でもが立てる場所ではない。世で脚光を浴び他に類のない個性を持った、言わば天才が立つ場所だからである。

▼彼はどんな天才なのか。彼は3歳の時、自閉症と診断され、フィンガーペイントとか絵本を読むこととかの、幼少時の年令で当然と考えられた様々な学びや活動が出来ず、普通の人間として育つための学びが出来ないと判断され、特殊クラスに入れられた。そこでは普通の教育がなく学ばくてもすんだ。その結果彼は学校で「学ぶ」ことから解放され、ケプラーの法則とか、光と影とか(後の天体物理学や高度な数学などに繋がる)を誰にも邪魔されず「考える」ことができたのである。まさか靴紐も結べない自閉症の子が高度な自然科学について考えているとは思いもしなかっただろう。

▼彼は10歳で大学に入る。IQはアインシュタインより高いのだとか。いまは新たな論文発表を控えている。
彼は同じ自閉症の傾向があったニュートンやアインシュタインについて語る。ニュートンは当時流行していたペストのせいで大学が閉校していた。そこで彼は学べなかった代わりに考えることに専念したという。ニュートンが考えだした全てのものは学ぶことをやめたこの2年間に生み出しているという。また、ユダヤ人であったアインシュタインはナチスの台頭するドイツの大学で職を得られず特許庁で働いたが、彼はそこでたっぷり考える時間を得、創造的な思考に費やしたのだとか。

▼常人の行動としては問題のある仕草もあるが、やはりこの少年は並みじゃないと思わせる一端をさらりと語る。彼はゲームにハマることはないようだが、そういう考える営みが彼にとってはゲームの延長みたいなものかもしれない。店で買った500枚の紙を使い切り、ホワイトボードでも書き足らず、窓ガラスにまで書く…。両親を含め駄々っ子の落書きにしか見えないシロモノが(公園で遊びもしないで!)、実は常人には理解不能な大学の専門家にしか理解できない数式だったのだ。
たった12歳の彼が微分積分を学ぶ人用のDVDを出したことが新聞で写真入りで掲載され、中国語など他国語にも翻訳され、やがてFOXテレビやCBSからも取材を受ける。それで一気に世界の数百万人もの人達に視聴されることとなった。

▼最後に、彼は大勢の会場の人々に語りかける。過去の偉人達は天才だから歴史に残る発見をしたのか?そうじゃないと。高いIQや暗記力を持つサバン症候群の人達がいる。彼等との違いは何か?「学ぶことを、考えることや創造することに変えた」ことだという。セラピストには将来も話すことが出来るようにはならないだろうと言われたが、彼はTEDの舞台で今、天才少年のゲストとして、大勢の前で話しているのだ。信じられないような奇跡!それは、彼が「学ぶことを、考えることや創造することに変えることが出来た」からなのだ。
彼は聴衆に呼びかける。「24時間という僅かな時間でもいい、他のことは何も学ぶな。ただ自分の興味のある分野について考えろ。それが音楽であろうと、建築、科学であろうと構わない。」と。

なぜそこまで「Stop learning !」(学ぶのをやめろ!)と言うのだろう?彼は「学んだことを全て忘れろ、捨て去れ!そして皆とは違うように考えろ」とも言う。全てが個性的で独自である天才だから言えることなのか。言えるから天才なのか?人の言行に盲目的に従い信徒であることを誇りとする凡人とはそこが違うと言いたいのか?“自分で考えてみよう”

※不登校の子ども達もまた独自である。今、自閉症と判断される子ども達も以前より多くなっている。
そういう子ども達に対して、私達はいつも人から外れることを悪とし、正にこの天才少年ジャコブ・ベネット君が真っ向から拒否するような同調圧力をかけてはいなかっただろうか?
親も教育関係者やその他の人もよく考えてみなければならない大きな問題がここには含まれている


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